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治療院向け消費税の知識

接骨院を営む山田さんは保険施術による収入が徐々に減少してきたので、保険外の施術に力を入れてきました。おかげで総収入は増加。しかし保険外の施術収入が年間1千万円を超えると消費税を納めなくてはいけなくなると聞いていたので、今年消費税を納めなくてはいけないのか。納めるとしたらいくらぐらいなのか心配になってきました。今回は、治療院経営者が知っておきたい消費税の知識についてお話します。
 
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納税義務者

 
消費税の課税対象となる売上が年間で1千万円を超えた翌々年から納税義務者になります。治療院の場合は、保険外の施術収入、用品販売売上等が課税売上になります。保険施術収入(公的な健康保険制度に基づく療養費収入)、自賠責保険施術収入は非課税売上になります。この判断を行うためには、月々の売上を課税売上、非課税売上に区分しておく必要があります。
また課税売上は1年間の入金合計ではなく、施術した売上になります。クレジットカード決済の売上がある場合は、入金時で売上とするのではなく施術時で売上計上します。12月の施術についてのクレジットカード決済が翌年1月にあった場合、この入金額は前年の課税売上になります。
回数券販売収入は施術前に入金がありますが、原則として回数券販売時の課税売上になります。全額現金で受け取った場合はその日の売上になります。クレジットカード決済の場合は入金時ではなく回数券を販売した日の売上になります。回数券に番号をふり、使用済みと未使用分を管理している場合は使用分についてのみ売上とすることができます。

 

納税義務者の判断が例外となるケース

 

特定期間における課税売上が1千万円(給与の支払総額にすることができる)を超えた年度は納税義務者になります。個人事業の場合は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間が特定期間になります。特定期間の課税売上が1千万円を超えていても、その期間の給与支払総額が1千万円を超えていなければ納税義務者にはなりません。最近は開業年度から保険外の施術収入が主たる収入となる治療院も多くなってきました。前年3月に開業された個人事業のケースでは、あくまでも前年の開業日から6月30日までが特定期間になります。
法人を設立して事業を始めた場合は、資本金が1千万円以上だと初年度から納税義務者になり、2年目も納税義務者になります。3年目は1年目の課税売上により判断されます。事業が好調で法人成りされる場合は、法人の資本金を1千万円未満にする。特定期間における課税売上が1千万円行くかどうかで消費税の納税義務者になる年度が2年目になるかどうか試算しましょう。個人事業で消費税の納税義務者の場合、法人成りすると当初2年間はこれらの条件を満たすと免税事業者になります。

 

消費税の計算

 

消費税の納税義務者になった場合、どれくらいの納税になるのでしょうか。消費税は顧客から売上代金といっしょに受け取った消費税から、経費として支払代金といっしょに支払った消費税を差し引いた差額を納税します。自院の場合はいくらになるのか。実際に計算してみましょう。先ず昨年の確定申告書の損益計算書(または今年の予想損益計算書)を見ながら、計算例を参考に金額を埋めます。
売上については保険施術収入、自賠責収入は非課税売上、自費施術収入(保険外施術収入)、用品販売売上は課税売上にします。合計、税抜金額、課税売上割合を計算します。次に経費については、租税公課、損害保険料、減価償却費、給料賃金、利子割引料、法定福利費、貸倒引当金繰入、専従者給与は対象外。広告宣伝費のうち自費施術収入の広告代は計算例のように課税売上対応の欄に記入します。支払手数料のなかに保険請求代行手数料があれば計算例のように非課税売上対応の欄に記入します。それ以外の経費はここでは共通仕入と見なします。計算例のように経費内訳欄、合計欄に記入します。
課税売上高とそれに対応する消費税の計算は簡単です。計算例の課税売上高は税込みで1,404万円。税抜で1,300万円。消費税額は104万円。ここから控除する仕入税額の計算方法が3つあります。A:原則、個別対応方式は、一番実額に近い計算を行う方法です。経費内訳のうち課税売上対応の消費税は全額控除できます。共通仕入の消費税は課税売上割合を乗じた部分が控除できます。B:原則、一括比例配分方式は仕入税額の合計額のうち課税売上割合分を控除対象仕入税額とする方法です。C:簡易課税方式は、A、B方式を零細・中小企業が行うのは大変なので課税売上高から簡単に計算できるようにした方法です。控除対象仕入税額の計算は業種により控除割合が決まっており治療院の施術収入は50%です。
簡易課税方式を選択する場合は、適用される課税期間の前日までに税務署に届出書を提出しなければなりません。事前に試算を行って有利な方法を選択してください。

 

消費税の申告・納税

 

個人事業は申告対象期間の翌年3月末までに税務署に申告書を提出し納税します。納税を口座振替にしている場合は、翌年4月後半に振替になります。資金繰り上は口座振替が有利です。年税額が48万円(国税分)を超えると中間申告、納税が必要になります。

 

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