治療院向け月報2021年8月号
こんにちは。手技療法会報委員会です。
第18回は、今年開院10周年の千葉県にある治療院の先生にお話しを伺いました。
◆自分のスタイルで施術を行いたい
先生は子どもの頃、特になりたい仕事はないながらも、「人のためになる仕事、喜ばれる仕事、感謝される仕事っていいな」と思っておられました。お父様と同じ歯科医師の道を志した時期もあったそうですが、高校時代、初めて鍼灸の存在を知り、「鍼で人の身体を治すことができる、鍼で人を元気にすることができる、これは凄い技術だ」と思い、当時日本で唯一鍼灸を研究している大学があるという情報を得て入学し、この世界に入られました。卒業後、都内の鍼灸接骨院、デイケア・リハビリ・整形外科・鍼灸・漢方を扱う病院、鍼とお灸、外傷を専門的に扱う県内の整骨院で10年間研鑽を積まれ、柔道整復師の免許も取得されました。その後、ご自身のスタイルで施術を行いたいとの思いで開院されたそうです。
◆患者様を知ること、話をよく聴くこと
先生は、地域の皆様に信頼されるよう「素直・謙虚・感謝・利他の心」を心掛け、コツコツと経営されています。家族経営の小さな治療院のため、当初は経営が苦しい時期もありましたが、年数を積み重ねるごとに患者様が増え、紹介・口コミ・ホームページなどを通じて遠方や他県からの来院も増えました。昨年は、新型コロナウイルス感染症の影響により患者様が減少した月もありましたが、大きな影響は出ませんでした。むしろ慣れない在宅ワークによる身体の不調、外出自粛ストレスによる身体の不調、マスク生活での酸欠による不調など、今までとは少し異なる症状への対応が増えたそうです。先生は、そういったニーズに丁寧に応えてこられました。患者様の話をよく聴くことで、会話の中から痛みの原因となるストレス、姿勢、生活習慣などの治療のヒントを見つけることを大切にされているそうです。ストレスの多い患者様の場合は、会話を通じてご自身の頭の中の整理ができることで、解決の糸口を見つけ出し、身体が楽になる方もいらっしゃるようです。