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ミネルバ会計週報『雇用調整助成金を活用して雇用の確保を』2020.5.25

雇用調整助成金とは?

雇用調整助成金については、添付書類が多くて手続きが煩雑、中小企業が独自で申請するのは困難などと報道されています。

雇用調整助成金とは、災害などの影響により経済活動が大きく縮小した場合、雇用を維持した企業が社員に支払った休業手当の一部を、雇用保険会計から国が企業へ助成する制度です。

これまでも、東日本大震災、リーマンショック、大型台風の際に活用されています。

今回の特例では、支給率が中小企業は4/5(解雇等なしは9/10、60%超部分は10/10)にアップしています。

 

 

助成額と社員に支払う休業手当は異なる

誤解が多いのですが、会社が社員に支払う休業手当の額と、会社が国から助成を受ける金額のベースは算定方法が異なるためイコールにはなりません。

会社が社員に支払う休業手当は、下記①の平均賃金の60%以上であることが必要です(労働基準法26条)。

直近3か月の賃金総額÷総歴日数=①

一方、会社が国から受給する助成額は、

前年度の雇用保険料の算定基礎となる賃金総額を前年度各月末の雇用保険被保険者数平均で除し、さらに1人あたり平均所定労働日数で除すことで、1人1日あたりの平均賃金相当額②を算出します。会社が休業手当①の60%を支払っていれば、②の60%(100%払っていれば100%)に支給率を掛けた金額が、日額8,330円を上限に支給されるという計算方法となっています。

 

 

制度の運用が日々変更されているので注意

本来、休業計画策定→労使協定締結→休業計画提出→休業→支給申請の流れですが、今回は先に休業していても、計画の提出は6月末までの事後提出が認められています。

また、感染防止の観点から書類は窓口持参よりも郵便による提出が推奨され、近々電子申請による受付も開始されるようです。

厚生労働省ホームページでは、雇用調整助成金ガイドブックやFAQなどが日々更新されています。最新情報を入手して、申請されることをお勧めします。