上田会計週報『価値創造で事業構造革新』2017.04.10
「価値創造」とは、図のように既存の事業努力から技術革新と価値転換を伴う全く新しい価値を創造することを言い、企業の顧客にとっての価値を追求して事業構造革新を図る中核的・戦略的アプローチです。
著名な例を挙げますと、オムロン社がJR等鉄道会社と組んで駅の改札サービスを「技術革新」でICカード(Suicaなど)に切り替え、その機能を高度化するとともに、改札機能を「駅への入り口」から、「街への入り口」とする「価値転換」を行い、人々に街における安全・安心サービスを提供するソリューションを提供する「価値創造」を成し遂げつつあります。
価値創造の中心的手段
このような「価値創造」の中心的手段として注目されているのは、人々の多様な経験・専門分野・知識・経験が生きるオープンイノベーションです。
すなわち、単独企業内に止まらず、様々な専門分野の「価値創造」を志す人々の交流の中から、「技術革新・価値転換」とそれらを組み合わせた「価値創造」のタネを発見するイノベーションが活発に行われるようになってきました。このような発想法の原点は、市場・顧客や専門技術に日常的に接している人々が“三現主義”に基づいて創造的に議論する“共創” です。
[顧客価値追求の方向性・事業の幹]
( )内は事例
経営者・管理者の留意点
オープンイノベーションは、社外とのコミュニケーション手段として注目されていますが、「価値創造」は、一方で、社内においても深掘りしなければ事業構造改革に結び付けられません。
そのため、戦略策定、目標設定における社内コミュニケーションは、社外オープンイノベーションを体験した社員と、多くの社員が参加する“共創”の場づくりを重視し、「価値創造と事業構造革新」へ向けて活用したいものです。