治療院向け月報2012年8月号(№23)
こんにちは。
手技療法会報委員会です。
第23回は、全体の売上に占める自賠責売上の割合が最大で35%ほど占めたこともある
治療院の先生にお話を伺ってきました。
偉人が語る~ローター・J・ザイヴァート ~
行動を伴わないビジョンは、たんなる夢。
ビジョンのない行動は、だだの暇つぶし。
ビジョンと行動がそろって、はじめて人生を変えられる。
◆高い自賠責割合の理由
「広告は打っていません」と語られますが、広告なくしてどうやって自賠責患者を獲得されているのでしょうか。通常の施術と違い、患者さんによる口コミが期待できない分野です。
先生曰く「損害保険会社からの紹介が多いのです」とのこと。
なんでも、自賠責担当者と仲良くなるのだそうです。
巷では自賠責を不正に請求しているというニュースを残念ながら耳にすることもあります。
しかし当然そんなことをしていては、損害保険会社からの信用はなくなります。
そこを逆手にとり、担当者にもわかりやすいように施術内容に関する資料を細かく提供することを心掛けているそうです。
こうした手間が担当者の信頼を獲得し、この先生なら大丈夫という安心感のもと患者さんを紹介していただけるのでしょう。
◆NPO法人でハビリテーションの普及を目指す
先生は障がい者に対するケアに主眼を置いています。
目標は、フィジカルハビリテーションによるトレーニングセンターを開設することです。
ハビリテーションとは、端的にいえば先天的障害に対するケアのことを言います。
障害を持った子どもは感情に恵まれないことがあるそうです。
しかし施術により動かなかった部位が動くようになることで、表情豊かになるそうです。
更に、子どもに対するケアだけではなく、子どもたちが将来働ける年齢になったとき、雇用の場を提供したいとも考えていらっしゃいます。
つまり、子どものときは施術を行い、大人になれば働ける場を用意することで、長いスパンで障がい者を取り巻く環境を整えていきたいということでした。
行政との連携にも積極的です。
すでに社会福祉法人にも籍を置き活動されていますが、やがては自身でNPO法人を立ち上げたいと語られます。
株式会社と異なり、NPO法人ならば行政からの支援を受けて活動することができます。
障がい者に対する支援活動に情熱的に取り組む先生は、多くの支援者に支えられています。
編集後記
当業界でも儲かってくると株式会社化しますが、先生は株式会社ではなくNPO法人として、利益よりも社会福祉に資する活動をしたいという情熱がひしひしと伝わってきました。
きっとその思いが施術にも表れているのでしょう。
患者さんが集まる理由は、そういったところにもあるに違いないと感じました。
(発行)
発行:上田公認会計士事務所
手技療法会報委員会