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ミネルバ会計週報『在職老齢年金制度の見直し~60~64歳は年金支給額増加へ~』2020.2.3

在職老齢年金とは?

昨年末、在職老齢年金制度の見直しに関する報道が相次ぎました。

在職老齢年金とは、老齢厚生年金受給者が厚生年金被保険者である場合、総報酬月額相当額(過去1年以内に受けた給与と賞与合計÷12)と基本月額(老齢厚生年金額)の合計額が一定額を超えた場合、超えた分の全額又は1/2が年金支給額から減額される制度です。なお、国民年金の老齢基礎年金は支給停止されません。

 

 

 

在職老齢年金の支給停止額の計算法

在職老齢年金は、65歳以上(高在老)と60~64歳(低在老)で計算法が異なります。

高在老は、総報酬月額相当額と基本月額の合計額が47万円を超えた場合、超えた額の1/2が年金支給額から減額されます。

総報酬月額相当額と年金月額の合計額が47万円以下の場合は支給停止されず、全額支給されます。

一方、低在老は複雑で、①総報酬月額相当額と年金月額の合算額(28万円基準)と②総報酬月額相当額(47万円基準)の2つの基準があります。

支給停止額の計算方法は次の通りです。

1.①≦28万円→支給停止なし(全額支給)

2.①>28万円+②≦47万円以下

基本月額≦28万円→①28万円超過分÷2

基本月額>28万円→②÷2

3.①>28万円+②>47万円

基本月額≦28万円

→(47万円+基本月額-28万円)÷2

+(②-47万円)

基本月額>28万円

→47万円÷2+②の47万円超過分

※基準額28万円と47万円は毎年見直し

 

 

 

在職老齢年金の見直しは低在老のみ

年金が全額停止される場合もあり、高齢者の就労継続意欲を削ぐとの批判を受け、在職老齢年金の見直しが検討されました。

今回は60~64歳の低在老の支給停止基準を、65歳以降の高在老の基準に引き上げるにとどまり、高在老は変更されない方向となりました。