上田会計週報『来年には法規制? ふるさと納税をめぐる動き』2018.11.05
年末の恒例になりつつあるふるさと納税
そろそろ年末の足音も聞こえてきました。来年は消費税増税・軽減税率導入・年号改正等、身近な税や制度について大きく変更がある予定となっています。
その中の1つに「ふるさと納税」があります。ここ数年、大きなうねりとなってすでに国民の認知度は高くなっていますが、過剰な返礼品競争の末、ついには総務省が「来年より法規制をする」という方針を示しました。
今は「高すぎるもの」も見逃されている
平成30年4月には、ふるさと納税は「返礼品の価値は寄附額の3割にしてください」という総務省の「要請」が出ていますが、法的拘束力がなく、逆に3割以上の返礼率を持つ自治体に人気が集まる結果となりました。総務省は調査を踏まえて「見直しが必要である自治体」を公表したのですが、「それだけお得な自治体」ということで逆に、拍車を掛けたという事は否めません。何故発表したのか疑問です。
来年法規制……という事は今年は?
平成30年9月、総務省はふるさと納税の返礼品について、規定外のものを扱った自治体に対し、ふるさと納税制度から外す事も視野に入れ、来年度から制度の見直しを行うという発表をしました。
これにより、来年4月以降はより一層ふるさと納税の規制が進むとして、現在駆け込み需要が過熱しています。ある自治体では、返礼率が高い上に使い勝手が良い「Amazonギフト券」を総務省の目に付きにくい土日祝日のみサイトに出す等、ゲリラ戦術の様相も呈しています。
配偶者特別控除絡みで上限にはご注意を!
ふるさと納税は自己負担が2,000円で返礼品が貰えるお得な制度ですが、今年の自己負担が2,000円で済む寄附の上限は、今年の収入・所得・控除によって決まります。今年は配偶者特別控除の変更があり、去年と同様の収入・控除ですと控除限度額が下がる方もいらっしゃいます。計算シミュレーション等で確認しましょう。