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上田会計週報『職場のパワハラを 起こさないために』2018.05.14

多いいじめや嫌がらせ

平成29年に厚生労働省より発表された平成28年度の個別労働相談では113万件以上の労働相談がありました。9年連続100万件を超えました。労使トラブルが多く起こる背景として、労働者側の権利意識の向上やインターネットを中心とした情報インフラの進展が考えられます。労使トラブルの中でも、いじめ・嫌がらせに対する相談は5年連続トップとなっています。民事上の個別労働相談件数の内、いじめや嫌がらせに関する相談は7万件を超え、その次に自己都合退職による相談が4万件超え、解雇問題は3万6千件になっています。

パワハラ6類型と予防措置

パワハラには以下のタイプがありますが予防には下記の様な対策が考えられます。

・身体的な攻撃   ・精神的な攻撃

・過大な要求    ・過小な要求

・人間関係からの切り離し ・個の侵害

①トップのメッセージ……職場のパワハラは起こさないと明言をする。

②就業規則等で規定する……服務規定等で定め、行った時の処分も規定する。

③従業員アンケート等で現状に問題が無いかを把握する。

④社員、管理職に教育を行い周知させる。

⑤組織内や外部に相談窓口を設ける。

⑥起きた時は行為者に再発防止研修を行う。

相談を受けた時の対応は

もし相談者が相談してきたら、対応は次の流れが考えられます。

①相談窓口では秘密が守られる事、不利益な取り扱いは受けない事等を伝える。

相談時間は1時間以内にしましょう。

②事実確認を行う。相談者に了解のうえ行為者や第3者に事実確認をします。相談者と行為者の意見が相違する場合もあります。その時は第3者に確認をします。

③相談者、行為者の措置を検討します。

その際被害の大きさ、事実確認の結果、両者の発言・行動の問題点を就業規則や裁判例等で確認します。

④行為者や相談者への注意、場合によっては行為者からの謝罪、人事異動、懲戒処分等が考えられます。

⑤会社が取り組んだ事を説明し、同様の事が起きないようにフォロー、再発防止を検討します。