上田会計週報『どんな人が納めるの? 個人事業税を納める人』2018.03.05
個人事業税を納める人
この時期、会計事務所は確定申告業務の真っただ中です。開業後、売上を順調に伸ばしている個人事業主さんの数字をまとめていると、こちらも嬉しくなってきますが、反面、いろいろと税金のお話をしなければなりません。個人の事業税もそのような税金の中の一つです。
個人の事業税は、事業を行っている人すべてに課税されるものではなく、次の2つの要件を満たしている場合に課税されます
1 地方税法に定められた70業種(法定業種)にあたる事業を行っていること
2 年間の所得金額が290万円を超えていること
個人事業税の申告は必要?
今までずっと事業をしていたのに、8月頃に初めて個人事業税の納税通知書を受け取ったという人は、3月の確定申告で所得金額が初めて290万円を超えたということなのかもしれません。一応、個人の事業主についても、毎年3月15日までに前年中の事業の所得を申告することとなっていますが、所得税の確定申告書を提出した人は、提出する必要はないこととされています(「住民税・事業税に関する事項」欄に必要事項を記載します)。
課税される業種・課税されない業種
個人事業税が課税される70業種は次の3業種に区分されます。
第一種事業(37業種)
物品販売業、不動産貸付業、製造業、駐車場業、請負業、飲食店業、その他一般の営業等
第二種事業(3業種)
畜産業、水産業、薪炭製造業
第三種事業(30業種)
医業、弁護士業、コンサルタント業、理容業、美容業、その他の自由業等
税率は、第二種は4%ですが、他は5%です(第三種事業のうち「あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復その他の医業類似の事業」、「装蹄師業」は3%)。
この70業種に当てはまらない業種については、個人事業税は課されません。例えば、農業、林業、鉱物採掘、医療(社会保険診療報酬)、文筆業、音楽家、スポーツ選手がこれに当ります。
また、不動産貸付業、駐車業には一定の基準があり、それを超えると、個人事業税が課されます。