上田会計週報『36協定はどんな場合に必要か』2017.09.19
36(サブロク)協定とは?
法定の労働時間を超えて労働(法定時間外労働)させる場合、又は法定の休日に労働(法定休日労働)させる場合には予め書面で労使協定を締結し、労働基準監督署に届け出る事が必要です。この協定の事を労働基準法第36条に規定されていることから通称「36(サブロク)協定」と言います。
どんな時に締結・届出をするのか
法定労働時間とは1日8時間、1週40時間(特例措置対象事業所は週44時間)とされています。特例措置対象事業所とは商業、映画・演劇業、保健衛生業、接客業のうち常時10人未満の労働者を使用する事業場を言います。変形労働時間制を除いて、この時間を超えて労働させる場合は時間外労働となり36協定が必要になります。また、法定休日とは1週間に1回の休日(変形休日制を採用する場合は4週4日)と定められていますが、この休日に労働させる場合は休日労働となり協定が必要です。
36協定の締結と届出は
36協定は事業場単位で届け出る必要があります。1つの会社で別々の場所に工場・支店等がある場合には各々が事業場となり各々の所在地を管轄する労働基準監督署に届け出します。
36協定の必要事項
協定の内容は次の事項です。
①時間外労働をさせる具体的理由
②時間外労働をさせる業務の種類
③時間外労働をさせる労働者の数
④1日について延長する事ができる時間
⑤1日を超える一定の期間について延長する事ができる時間
⑥有効期限 原則1年間の定めをする
協定の当事者
協定は会社と労働者の締結当事者間で行いますが、締結当事者とは事業場の過半数で組織する労働組合、又は労働者の過半数を代表する代表者を選出しその者と協定します。選出方法は投票、挙手のほか話し合いや持ち回り決議等でもかまいません。労働者の過半数がその人を支持していることが明らかな方法が必要で、会社側が特定の人を指名するのは無効とされています。
届出書は2部作成し受付すると1部が戻ります。有効期間の開始前に届出をします。