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上田会計週報『特別徴収徹底宣言』2017.06.19

特別徴収徹底宣言

インターネットで「年度から個人住民税の給与からの特別徴収を徹底します!」と入力すると、「平成27年度から」「平成28年度から」「平成29年度から」「平成30年度から」と年度を変えて、沢山の自治体がこのタイトルでネット宣言しています。

47都道府県及び20政令指定都市を構成員とする全国地方税務協議会は平成26年8月開催の総会で「個人住民税特別徴収推進宣言」を採択しました。その後その参加自治体は、冒頭のネット宣言をして、事業主に特別徴収の徹底を呼びかけています。

法令改正ではない、解釈変更でもない

東京都のホームページを見ると、ネット宣言の中で、法令改正があったわけではなく、制度の周知が十分でなく、徹底が図れていない状況にあり、平成26年度から平成28年度までは広報・周知活動に取り組み、平成29年度から、特別徴収を徹底することとした、と書いています。

また、従業員が自分で納付したいと言っている、手間が増えるので特別徴収したくない、毎月納付が面倒、所得税が発生する従業員はいない、などなどの住民からの疑問の声を載せ、回答しています。

法令の徹底や目こぼしは随意なのか

回答の多くは、法令に書いてあるので、もともと義務なのだ、という趣旨になっています。それなら何故そういう法令無視状態を今まで続けていたのか、そういう法令無視をしていたことは法令違反なのではないか、法律の規定を自治体が無視していて、今度は法律に変更がないまま法令順守を要求する、そういうことには何も問題はないのか、問われるべきです。

租税法律主義の理念が地方税の現場では以前から希薄です。その自覚がないのなら、それは憲法感覚の欠如でもあり、地方税制度をやめて、消費税のように国税が一括徴収し地方に交付するとか、にすべきです。

例外の統一基準の法的根拠は?

なお、普通徴収を認める下記の統一基準があります。

(1)乙欄適用者

(2)年100万円以下少額給与者

(3)支払不定期給与者

(4)個人事業主の事業専従者

(5)退職又は退職予定の者

(6)2人以下の小規模事業所