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上田会計週報『外国人による家事支援サービス』2016.09.12

外国人による家事支援、ついにスタート

国家戦略特別区域法の改正で外国人家事使用人の受入れが解禁されたことを受け、7月27日、神奈川県や内閣府などが外国人による家事支援サービスを手掛ける事業者として3社を認定、通知書を交付しました。

国家戦略特別区域法ではこの外国人家事使用人の受入れを「国家戦略特別区域家事支援外国人受入事業」と名称付けており、その事業内容を「国家戦略特別区域内において家事支援活動を行う外国人を、本邦の公私の機関が雇用契約に基づいて受け入れる事業」としています。外国人を雇用できる「本邦の公私の機関」は単に日本にある機関であれば良いというわけではなく、政令で定められた基準に適合すると認定された「特定の機関」のみとしています。今回3社がこの機関として認定されたことで、いよいよ外国人による家事支援サービスが具体化してきました。

外国人による家事支援は今までもあったが

日本は外国人によるいわゆる「単純労働」について非常に限定的な受入姿勢を取っており、この受入事業については大いに注目が集まっています。これまでも外国人が家事使用人として入国することが認められるケースはありましたが、外国の慣習的に必要とされている外交官や外国人経営者の家庭で家事に従事する場合など、ごく限られたものでした。

どこまで家事をお願いできる?

この受入事業で外国人家事使用人が行うことができる家事の内容については国家戦略特別区域法施行令により「①炊事②洗濯③掃除④買物⑤児童の日常生活上の世話及び必要な保護⑥その他家庭において日常生活を営むのに必要な行為」と定められています。これらの内容について、たとえば「③掃除」であれば「床、水回り、炊事場の清掃のほか、家具等の清掃を含む」といった具合に、どこまでが活動範囲として認められるのか、既に内閣府などがある程度解釈を示しています。しかし、家庭により手伝ってもらいたい家事は様々。支援内容の解釈については運用していく中で課題になることも予想されます。まずは特区での実施となりますが、今後の展開が気になるところです。