上田会計週報『非定型職社員の給与制度』2016.01.12
役職者[マネジメント職群・上級専門(技能)職群]の給与制度を役割・成果責任に基づいて設計した企業では、一般社員層の給与制度も役職者の制度に連結するよう設計するべきです。
非定型職社員の給与制度設計
一般社員の職務は、定型職と非定型職に区分されますが、ここでは、日本企業において、広がりを示している非定型職の給与制度についてのべます。
非定型職には一般に企画職・総合職・研究開発職が挙げられますが、役職者が役割・成果責任に応じた業績を求められるのに対して、社員は育成過程にある点が異なります。しかし、実際には能力の伸長に応じて、より重要な目標の達成に参加、貢献することが求められます。
このような点を考慮して図示したような給与制度が活用されます。
① 職務遂行能力の発揮度に応じて賃金が伸長する「等級別範囲職能給」を適用し、昇級インセンティブ・昇号インセンティブを利かせる。
② 目標達成への貢献等を評価して昇号させ、上位等級ほど評価反映度が厳しい昇降号数を適用する。
【非定型職社員の給与制度(例)】
等級 |
等級別範囲給・重複型 (単位:千円) |
3 |
180~220 |
2 |
165~195 |
1 |
150~170 |
【評価別昇号基準(例)】
等級 |
業績評価 |
||||
A |
B |
C |
D |
E |
|
3 |
3 |
2 |
1 |
0 |
-2 |
2 |
4 |
3 |
2 |
0 |
-1 |
1 |
5 |
4 |
3 |
」 |
0 |
経営者・管理者の留意点
日本の企業では、若いうちに幅広い経験をさせることが多いので、異動後一定期間は異動前給与を保証する等、モラールダウンにつながらぬよう配慮しましょう。