上田会計週報『マネジメント職群の給与制度』2015.12.07
役割・成果責任に基づく処遇制度を導入した企業では、次のような給与制度とすることが必要です。
マネジメント職群・給与制度構築法
マネジメント職群の役割は、組織のマネジメントであり、組織目標の達成責任を負うため、目標達成への意欲と危機感、達成した場合に報われるモチベーションの両面を狙いとし、例えば右表に示したように、給与を「役割給」と「業績給」とに分けて支給する給与制度を構築、適用します。
① 責任の重さであるポスト(役割レベル・階層)の重要度・困難度に応じて支給する「役割給」 ② 組織目標の達成度評価に基づいて支給する「業績給」 役割階層別の成績(目標達成度)で洗い替えを行なうため、同一役割階層内で最高額~最低額・S-1~S-5まで変動するしくみ。成績評価は正規分布とするため、毎年の全対象者の平均本給は一定となる。 |
このような給与体系のもとでは、会社の業績に応じてベースアップ(またはダウン)を行なわないかぎり、マネジメント職群の平均昇給額はゼロとなります。
【マネジメント職群の給与制度(例)】
給与体系 |
支給額設定 |
支給基準 |
役割給 |
役割等級別 定額 1等級~4等級 |
役割の重要度・困難度に応じて支給 |
業績給 |
役割等級別・業績評価ランク別に設定 各等級別 S-1~S-5 |
組織目標達成度評価に基づいて支給(毎年の評価で洗い替え) |
この給与制度の適用効果
この給与制度に基づく制度運用は、前述のマネジメント職群の目標達成意欲・モチベーションの向上とともに、業績に応じた賞与の増減や、ベースアップ(またはダウン)の実施により、総額人件費を業績に見合ったレベルで管理することができます。
経営者の留意点
この制度は毎年昇給する定期昇給制度ではなく「業績に応じた制度」であることを周知徹底することが重要です。