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上田会計週報『ストレッチ目標』2014.06.30

戦略の策定や目標管理制度における目標設定の際、「ストレッチ目標」と言うキーワードが使われます。

それは「事業発展のニーズ」を満たすとともに「意図的に担当者の現状能力から見て、最大限に努力して、ようやく手が届く目標を設定すること」を言います。

「ストレッチ目標」の効用

このような目標設定は、次のようメリットを生み出します。

① 担当者は現状と目標の間にある大きなギャップを埋めるため、目標達成プロセスで新しい発想や革新的な方法を生み出そうと主体的に努力するので、最大限の能力が引き出される。

② 目標が達成されると、様々な創意工夫や苦難を乗り越えた結果であるだけに、高い達成感が得られる。

③ この達成感は担当者の“自己実現”と言う最高位の欲求を満たし、成長させる。

④ 達成プロセスで、生み出した新しい発想法、仕事の進め方、技術・技能の活用方法などが再活用可能な経営資源として蓄積される。

⑤ 会社にとっては、経営上の成果が得られるばかりでなく、効果的な人材育成ができる。

経営者・管理者の留意点

「ストレッチ目標」の効用を現実のものとするためには、経営者・管理者が次の努力を払うべきです。

① 経営戦略、経営計画や自部署の役割上、どの業務領域で、どのような「ストレッチ目標」の設定を期待するのか、予め検討し、方向付けを行なう。

② 毎年の目標管理制度上の評価面談などから、個々の担当者が興味・関心を持っている業務目標領域、そこで活用する強み、伸長させたい能力を整理、把握するとともに、次年度の「ストレッチ目標」設定へ結び付ける。

③ 目標達成プロセスでは、「ストレッチ目標」設定時に本人と合意した創意工夫、能力向上の内容と目標達成への具体的応用状況に関心を示し、かつ支援を行なう。

④ 経営者は「ストレッチ目標の設定と達成努力が、会社と本人を共に成長させる価値観」を可視化、口頭などにより組織の隅々まで浸透させる。