上田会計週報『“組織づくり”の本質』2013.07.22
事業が思い通りに行かない、仕事の問題が次々と起こる、と言った状況に陥ったとき、対外的な見かけの合理化を図りたいときなど、組織を変えればうまく行くだろう、と考えて組織変更を行うことがあります。
それが過剰になり“組織いじり”をすると、あたかも問題解決の体制ができた、と勘違いすることが生じがちです。
組織づくりの本質は何か
組織は人によって構成されており、その人が組織の目的に叶って、必要最少限、かつ適切に配置され、訓練されている場合に、望ましい機能を発揮します。
例えば、リーグ優勝を狙うサッカーチームには、専門能力が高いストライカー・ゴールキーパー・ミッドフィルダーなどそれぞれ基本的な役割をもったプレーヤーと有能な監督のマネジメントが欠かせません。
その上で、戦況に応じて臨機応変に自分の役割を変え、攻撃に参加したり、守備的に活躍したりする機動性を発揮することができるわけです。
つまり、組織づくりの本質は、組織の目的に合った少数精鋭の人材が配置され、その組み合わせが最適であり、戦況に応じて適切にチームワークのあり方を判断して機動的に働けるよう訓練されていることです。
組織づくりのタイミング
したがって、是非とも達成したい戦略目標があって、それに相応しい人材を配置し、チームとして機能できるようトレーニングを行なってこそ組織ができたことになり、また、トップの不退転の決意を社内に示すことになります。つまり戦略目標策定時が最適な組織づくりのタイミングとなります。
組織づくりの留意点
組織づくりの本質は、そこに所属する人とその意識・行動にあるのですから、トップは次の点に留意することが重要です。
①自社の事業に必要な、専門人材、マネージャーを計画的に育成し、重要な戦略目標を策定したときに、いつでも活用できるよう、小さなテーマでトレーニングして、適性・能力を見極めておく。
②人間関係は微妙で、複雑であり、こじれやすいから、組織をつくる時に、マネージャー、メンバーの組み合わせに注意し、また、スタート後にチームワークの状況を注意深く観察し、意外な不具合の発生がないかチェックして、障害を取り除く。