察する力
毎週更新
発行2012年3月5日(月)
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所長コメント
うちの事務所には会議室があり、使用が終わると照明を消すようにしています。
しかし、中には会議が終わっても照明を点けたままの場合があります。
会議が終わって職員が会議室を出る時、
誰も会議室の照明を消すようにとは言いません。
誰かが察して照明を消します。
そのためメンバーに察する人がいないと照明が点いたままになってしまいます。
人にはタイプがあり、自分しか見えないタイプと自分のまわりも見られるタイプに分かれます。
多くは前者ですが、なかには後者のタイプの人がいます。
経営者は、後者のタイプの察する力を持った人を採用したいわけですが、
これは私の経験上もなかなか難しいですね。
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■■-今週のことば-■■ マイナンバー
国民全員に番号を割り振り、税や社会保障関連の情報をまとめて管理する共通番号制度。
政府は、2015年1月の利用開始を目指す。情報漏洩や不正利用の懸念も。
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◆◇◆ 見直される定率法の償却率 ◆◇◆
** 減価償却の基礎知識 **
減価償却資産とは、建物や機械装置、車両運搬具など、時間の経過や使用することで価値が減っていく資産のことで、土地や骨董品などは減価償却資産ではありません。
取得した減価償却資産は原則、資産の種類ごとに定められた期間(法定耐用年数)にわたり、一定の償却方法によって各年分で費用化していきます。
償却方法には、償却費が毎年同額となる定額法(取得価額×定額法の償却率)や、初めの年ほど償却費が多くなる定率法(未償却残高×定率法の償却率)があります。
** 定率法は250%から200%に **
定率法は現行、定額法の償却率を2.5倍した償却率で減価償却を行います(250%定率法)。
平成23年度税制改正により、定率法の償却率が見直され、24年4月以後に取得する減価償却資産から、定額法の償却率を2倍した償却率に引き下げられます(200%定率法)。
これにより、特に償却期間の初期において償却費が少なくなるため、償却スピードが鈍りますが、最終的に償却できる額は変わりません。
なお、経過措置が設けられており、24年4月前に開始した事業年度については、4月以後に減価償却資産を取得した場合でも、250%定率法により償却することができます。
また、現在250%定率法で償却している減価償却資産がある場合は、4月以後最初に終了する事業年度の申告期限までに税務署に届出を提出することで200%定率法により償却ができます。
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◆◇◆ 改めて、会社と社員の災害に対する備えを ◆◇◆
東日本大震災から1年。緊急時に社員の安全と事業を継続するための具体策を改めて確認します。
例えば、*建物の耐震性の確認と補修、*機械設備・ロッカー等の落下・転倒防止、*避難ルートの確認と避難訓練、*会社・家族との安否確認の方法、*非常持ち出し品の確認と更新、*最新データのバックアップを保管、*現状に適した保険の加入などを全員で話し合うことが大切です。
なお、災害や事故など緊急事態が発生した場合に備えて、最優先で復旧させる事業の選択や、取引先との事前協議、事業に必要な資産について代替策を用意・検討するなど、「事業継続計画(BCP)」の策定をしておくことも必要です。
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◆◇◆ 半導体大手の破綻による中小企業対策 ◆◇◆
会社更生法の適用を申請した半導体大手エルピーダメモリの負債総額は4480億円にのぼり、国内製造業では過去最大となりました。
影響を受ける中小企業の対策として、日本公庫によるセーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)や、商工中金による危機対応貸付の利用、直接取引関係がある中小企業を対象としたセーフティネット保証(100%保証)が実施されます。
また、日本公庫や商工会議所などに特別相談窓口が設けられます。