毎年、雛祭りになると思い出すことがあります。

私には4つ年上の姉がいるのですが、姉の雛人形は七段飾りでした。

さすがに七段飾りを2つは飾れないということで、私の雛人形は

親王飾りとよばれる一段のものでした。

特に一段では嫌だとわがままを言った覚えはないのですが、

一段の私をかわいそうだと思ったのか、父は、毎年雛人形を飾る度に、

私の雛人形は、優しくて良い表情だと褒めてくれました。

毎年毎年褒めてくれるので、

いつしか私は、自分の雛人形が一番だと思うようになり、

飾る度にその表情を眺めては、満足していた記憶があります。

そんな父の優しさを思い出し、懐かしい気持ちになった一日でした。