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売上アップケーススタディ

 

旧勢力vs新興勢力

 

接骨院を営んでいる山田さんは、最近どうも不安で仕方ありません。患者数がだんだん減ってきているような気がします。前年同月と比べてみると最近数ヶ月確かに患者数が減っていました。どうも高齢者が減ってきたように思えます。また、最近の療養費算定基準の見直しで多部位請求の給付率が下がりました。今後も給付率は下がって行くのでしょうか。かねてより出来高請求から“まるめ”(定額請求~月何回施術しても請求額同じ)にかわるといったうわさもあります。自院の周りに新規開業する同業者も増えてきました。なかには患者を車で送迎するところまで出てきました。

同業者の友人に聞いてみたところ、その友人はこんな話をしました。

開業して10年以上経ち、専門学校規制緩和以前の世代で、施術は保険中心の世代を「旧勢力」と呼ぶ。この世代は、売上は逓減傾向にあり、新しい取り組みに消極的、「オレは先生」で偉いと思っている。他方、開業して10年未満、専門学校規制緩和以降の世代を「新興勢力」と呼ぶ。自費の売上比率高く、「旧勢力」から患者を奪っている。新しい取り組みに積極的で、「ワタクシの仕事はサービス業」と考えている。

山田さんは、まさに自分は「旧勢力」だなあと思いました。何か手を打たなければと考えるのですが、なかなか行動に移せません。さて山田さんは、現状を打破していくためにどうすればいいのでしょうか。弊事務所では多くの治療院をみているので、そのなかから参考となる事例をこれからご紹介させていただきます。

 

自賠責売上を伸ばしたケース

 

先ずは、売上を大幅に伸ばした、新興勢力の事例から学ぶことにしましょう。昨年4月に開業したAさんは、開業にあたり“自賠責”で稼ぐ戦略を考えました。これまでの「旧勢力」の世代は、自賠責はラッキーなボーナス的考えが中心でした。あくまで保険施術をベースに、自賠責の患者が月一件でもとれたらラッキーと考えていました。

Aさんは考えました。保険に頼った施術のみでは今後生き残りはできない。一方、施術単価が高い自賠責の患者が毎月数件とれればかなりの売上になる。どうしたら自賠責の仕事がとれるようになるのだろうか。

 

自動車事故で怪我をした被害者の立場になって考えてみました。

被害者は先ずどこに連絡をとるのか。怪我の治療先はどうやって探すのか。治療が始まってから気になるのは、治療代は加害者が全額払ってくれるのか、それとも保険金で全額補てんされるのか。このあたりのことを調べて行くと、交通事故の被害者のキーマンは保険会社であることがわかってきました。自分の治療代の負担をどこが最終的に持ってもらえるのか、被害者は保険会社に問い合わせるのです。

実際にその最初の窓口になるのは保険代理店です。自賠責保険は法律で加入が義務付けられた強制保険です。道路交通法上の車輛は全て加入が義務付けられています。加入手続きは、車輛購入時、車検時に行います。通常は、自動車、バイク販売店、車検を行う整備会社が代理店となって手続きします。

そこでAさんは開業にあたり、近くの自動車、バイク販売店、整備会社に挨拶に行くことにしました。しかし手ぶらで一度行ってもすぐに忘れられてしまいます。交通事故で怪我をされた方がいたら紹介してもらえるようなパンフレットを作成しました。これを持って挨拶に行きました。その後のことはマル秘だそうです。

 

どうしたら紹介がもらえるか、皆さん考えてみてください。答えだけ聞いて、それを真似してもうまくいきません。自分なりに一生懸命考えることが大切です。Aさんのその後は、表を見ていただければ一目瞭然です。開業初年度の売上構成比は、保険37%、自賠責60%、その他3%。売上に対する経費率は39%。皆さん、自院の数値と比べてみてください。

 

次はBさんの事例をご紹介します。

Bさんは、開業して5、6年。奥さんとパート一人で受付を行い、施術はBさん一人で行っています。ここ数年コンスタントに年間十数件自賠責の患者がとれています。私はBさんに聞いてみました。「なぜ、毎年自賠責の患者が継続的にとれるのですか?」Bさんの答えは意外なものでした。「患者さんは保険会社からの紹介です。」一般的に自賠責での施術代金の請求を巡って、接骨院と保険会社は利益が相反すると考えられています。接骨院は出来るだけ請求額を多くしたい。一方、保険会社は支払額を削りたい。保険会社の担当者は、接骨院側がどの程度自賠責の請求について知っているか最初に探りを入れるそうです。そこでなめられたら、どんどん減額されてしまうそうです。逆に自賠責の請求について熟知した接骨院は、めいっぱい請求してきます。そういったせめぎ合いが普通なのに、なぜ保険会社から紹介が来るのでしょうか。

Bさんは、保険会社と協定価格を結んだそうです。自賠責の請求額は保険の約1.5倍が相場といわれています。それより下げた価格で請求することにしました。すると、保険会社から紹介が来るようになったそうです。保険会社の方もメリットがあり、接骨院も長い目でみたらメリットがあります。自賠責売上はスポットという発想では、この考えは生まれてきません。長期的視点からの発想がよかったようです。

Aさん、Bさんとも自賠責で売上アップさせた事例ですが、最近自賠責については行きすぎた事例もあるようです。接骨院からすると保険より自賠責での請求の方が儲かるからといって自賠責で請求することがあるようです。しかし、患者さんの立場からすると通常の保険による施術の方が有利になるケースもあるそうです。患者さんにとってどちらが有利か事前によく説明してあげることが後々でのトラブルを避けることになります。

 

介護保険市場へ参入したケース

 

Cさんは開業前に長期的視点から、接骨院だけではいずれ経営が厳しくなると考えて、デイサービス事業の経験も積み、開業時接骨院と同時にデイサービス事業も始めました。デイサービス事業を始める場合、一番大切なのは立地です。高齢者が多く、同業者が少ない地域をリサーチして出店地を決めました。

実際開業してみると、ほとんど宣伝しなくてもデイサービスの利用者が増えて行きました。地元行政からの紹介と、利用者からの紹介だけでどんどん利用者が増え、途中から申し込みを断るような状況になったそうです。

成功のポイントは、大手デイサービス業者と同じ土俵にのらないということ。対象エリアを限定。従業員はパートのみ。接骨院の利点を生かし、訪問時、保険施術での売上を立てることで客単価アップができ、大手デイサービス業者との差別化ができたそうです。デイサービス事業は人を使うので、経費率に占める人件費の割合が高くなるので注意が必要です。

Dさんは開業して既に30年以上。「旧勢力」の典型でした。長くやっている分、なじみの患者さんも高齢化。だんだん患者の来院が減ってきました。このまま患者の高齢化進むと、患者を介護業界に盗られてしまうとの危機感から、ケアマネージャーの資格を取得。営業は不要。接骨院の患者さん及びその親族を順次ケアマネするようにしました。Dさんの話では、ケアマネージャーの試験は難しいわりに、報酬が少なく、有資格者がなかなか増えないそうです。副業向きの仕事といえるかもしれません。今では売上の40%をケアマネ事業が占めるようになりました。保険施術の売上減少をケアマネ事業で補ったかたちです。

Eさんも開業して25年以上。Dさんと同じ悩みを抱えていました。EさんがDさんと違ったのは自分ではなく奥さんにケアマネージャーの資格を取らせたことです。自分一人で接骨院とケアマネ事業を行うのは、時間的に限りがあります。奥さんにケアマネ事業をやってもらうことで両事業のキャパシティが広がりました。今では売上の42%をケアマネ事業が占めるようになりました

 

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