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第22回 もしも院長が急に亡くなったら

今回は私の顧問先で実際にあったケースをもとに物語ふうに書いてみました。これまで元気だった院長が急に亡くなったらどんな問題が発生するのか、元気なうちに対処すべきことはどんなことなのか、参考にしていただければ幸いです。

治療院を経営する山田さんは、先日専門学校時代の友人で同じく治療院を開業しているNさんから電話をもらいました。「実は今、病院から電話をしている。医者からガンだといわれた。治療で治るといわれたが、もしもなにかあったら治療院を頼む」急のことで山田さんもびっくり。早速病院に見舞いに行きました。Nさんの治療院は、毎日百人ほどの患者さんが来ており、とても繁盛。副院長は資格持ちで、自分になにかあったときは副院長を院長にしてほしい。そして軌道に乗るまで指導してほしいとのこと。Nさんはまだ三十代前半。奥さんと幼いお子さんが二人。専門学校卒業し、著名な治療院で修行後独立。保険に頼らない最新の施術に力を入れ、持前の明るい性格で患者からもスタッフからも慕われていました。Nさんは「元気になって絶対に現場に戻る」との言葉も虚しく一ヶ月後に他界。Nさんの葬儀では、幼い子供が父親の死がまだわからないようで、それがいっそうまわりの人の涙を誘っていました。

山田さんは、Nさんの奥さんから今後のことについて相談を受けました。副院長は自分が現場の責任者になり頑張りますとのこと。山田さんは「私も出来る限りのことはしたい」と伝えました。山田さんが気になったのは、Nさんの奥さんと幼いお子さんのこれからのこと。「これからの生活は大丈夫ですか」と山田さんが尋ねたところ、「治療院は法人になっており、主人を被保険者として五千万円の生命保険に入っていた。個人の自宅はローンが残っているが幸い生命保険に入っており、残債は全て保険金で完済される。また主人は都内の賃貸しワンルームマンションを数件購入していたが、そのローンも生命保険付きで残債は全て完済される。毎月家賃が二十数万円入ってくる」とのこと。治療院は法人なので奥様が法人の代表になり、副院長に施術責任者になってもらえば、当面そこから収入が奥様に入るとはいえ、治療家でない奥様が長期的に経営をやっていけるか心配していた山田さんもこれを聞いて一安心。生命保険金は一時金で終わりですが、家賃収入はずっと継続してもらえるので、子供の生活費、学費として長期的に充てにできます。これらの対策はNさんが生前、顧問税理士のアドバイスにより行っていたとのこと。
以下省略