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治療院向け月報2010年6月号(№5)

こんにちは、上田会計会報委員会です。
第5回は、今から約7年前に法人設立し、様々な試練を乗り越え、
1年間に数億を超える売上を捻出するS先生にお話を伺って参りました。
また今回は特大号として2ページにわたってS先生のお話をご紹介いたします。

 

偉人が語る~マイケル・ジョーダン 

プロになってシュートを
9000本以上ミスした
300試合は負けた
ウイニングショットを任され、
はずした事は26回ある
今まで何度も、何度も、何度も失敗した
だから、私は成功するんだ

◆ 究極のプラス思考経営!! 

 

 ① 自己資金を貯める

「経営者として失敗の連続だったが、私の自信過剰と究極のプラス思考である性格が良かったのですかねぇ~」
笑いながら語ったのは、関東地方で地域に密着した治療院経営に従事しているS先生。
今から約7年前に法人設立をし、現在では多店舗の分院展開を実現し、1年間に数億を超える売上げを捻出している。
そんなS先生も開業までは血の滲むような苦労の連続であったという。
資格を取るために専門学校へ通学しながら、整形外科やマッサージ店、飲食店、
ゲームセンターなどでアルバイトをし、わずか一日に2~3時間の睡眠時間で365日を過ごしながら、
治療の知識や技術の習得と開業資金の調達に明け暮れていた。
「本当に苦労されましたね。」
と問いかけると
「とにかく無借金で事業を開始するために、動ける時間は全てお金を稼ぐ時間に使いました。
倒れなかったのが不思議です。」
と言ってのけた。
 

② 失敗から学ぶ
 

1号店の開業当初のお話を伺うと「とにかく最初は大失敗で事業の難しさを痛感した」との事。
患者は全く来ない、無駄な設備投資、従業員に対する人件費が重くのしかかる、
キャッシュは減っていく一方、とにかく自分が全く予想しなかった出来事が次々と発生し、存続が危ぶまれた。
しかし、S先生は言う。
「地域の信用を得るには時間がかかる。失敗の原因を探すこと。
何もしないより失敗した方が成功により近くなる」と。
2号店は立地条件が良いという理由で開店したが、思ったほど患者数は伸びていかなかった。
3号店は整形外科の隣地にそこから流れてくる患者を取りこむ戦略で開店したが、
市場調査の甘さから来患数は予想を下回る状況であった。
ここまでの失敗は、とにかく経営計画が甘いことだった。

4号店は綿密な経営計画を立て、店舗家賃も今までとは比較にならないほどの安い店舗を探し、
かつ患者が見込まれる地域に絞って出店したが、従業員の指導で失敗した。
4号店の全ての管理をその従業員1人に任せたが、営業時間にもかかわらず店舗を閉めていたり、
開店時間を守らなかったりなど患者からの信頼を完全に失ってしまった。

5号店からは、開店当初は色々と問題があったが、失敗から学ぶことが多く、
何事にも前向きに考えるS先生の性格からなんとか軌道にのってきたが、
それでも、立地場所の問題やスタッフの勤務に関する問題が山積みだという。
よく考えてみると、事業をやっている以上全てが100%上手くいく事はまず無いといっていい。
人間と同じで治療院も様々な問題に直面し、それを1つ1つ乗り越えていくことで成長していくのだ。
S先生もそのような苦境を克服してきたからこそ今があるのだろう。
S先生は患者様が満足してもらうために常に色々と考えている。
マッサージ1つにしても少しでも面積を広く、回数を多く、片手でやるより両手でしっかり揉むことで、
患者様とより親密な距離でサービスを提供できる。
思いついたらすぐ行動して実践するS先生。
失敗しても患者様に満足してもらおうとする気持ちがあれば必ず伝わるのだという。

 

③ 従業員のコミュニケーションの重要性
 

S先生は患者だけでなくスタッフに対しても常に気を配っている。
「スタッフを大事にしなければ患者を大事にはできない。
働きやすい職場を作ることは私の大事な仕事です」と笑顔で答えてくれた。
4号店を出店した時にはスタッフに裏切られた経験もあるS先生だが
「裏切られた経験があるからこそ、コミュニケーションの重要性が分かった。
私とスタッフとの付き合いも重要だが、スタッフ同士の協調性も重要である」という。
スタッフとの交流を図るため3カ月に1回は社員旅行を実地。
スタッフの悩みや人生相談を真剣に受け応えしてくれる優しくて頼りがいのあるS先生である。
 

最後に近日中に分院展開を考えている先生方へ
「長期的な視野で経営することが大事です。
短期的な経営計画ではなく3年後、5年後の状況を常に意識することです。」
と自信満々で語ってくれた。
S先生の言うとおり、事業を始めるにあたって長期的な経営計画を策定することは
必要不可欠である。
さらに重要なのは、計画と実績を比較し問題点を発見し、解決し、
次期に活かすことである。

                                 

 

編集後記

 
S先生の何事にも前向きでチャレンジ精神が旺盛であり、失敗において学ぶという考え方は、
経営だけではなく個人にも当てはまることだと自分自身に置き換えてみても考えさせられました。
また、自分の好きなことに没頭し夢をかなえるために進んでいくS先生の姿はとても羨ましく思えました。
S先生の困難にも負けず目標に突き進んでいく姿は、私たちとしても見習っていきたいと思います。
  
                                                 

(発行)
発行:上田公認会計士事務所 
手技療法会報委員会