コロナ禍での接骨院経営/事業再構築補助金を使った取り組みをご紹介
今回は株式会社Progress 代表取締役 飯島真吾様に補助金の使い方やコロナ禍での接骨院経営についてお話を伺いました。
コロナ禍で経営に大きな影響を受けながらも、事業再構築補助金を活用して新たな取り組みを始められている飯島様。
新たな事業や他社との差別化についても詳しくお話をしていただいており、接骨院・整骨院経営者様必見の内容となっています。
詳細はぜひ以下のインタビュー動画をご覧ください。
ウィズコロナ時代に躍進する整骨院の新たな取り組みとは?
インタビュー:株式会社Progress 代表取締役 飯島真吾様
整骨院を運営されている株式会社Progress 代表取締役 飯島真吾様に、新型コロナウィルスに影響を受ける中での整骨院の取り組みと新しい事業についてお伺いしました。
■新型コロナウィルスによって経営に影響はありましたか?
2020年はそこまで影響はありませんでしたが、2021年は、徐々にお客様の足が遠のき、売上が下がっていってそのまま低空飛行でした。
■回復状況はいかがですか?
昨年末頃から回復傾向だったのですが、年明けより感染者が急増し、蔓延防止等重点措置の実施などを受け、また少し下降気味というところですね。
■お客様に変化はありましたか?
お客様によって、コロナの影響がある層とない層があることがわかってきました。私たちのメインのお客様が交通事故と産後の骨盤矯正なのですが、交通事故の患者様はコロナによって通院頻度はあまり変わりません。その理由が、鞭打ちだと半年など、保険の補償期間が決まっていて、患者様もその間にできるだけ通院しようとされるからです。一方で、産後骨盤矯正のお客様は、感染者が増えると来院が減り、感染者が減ると控えていた方がその分増えていらっしゃるというような流れがあります。
■強みにされている産後骨盤矯正について、どのような工夫をされましたか?
ホームページでのPRの仕方に工夫しました。他の整骨院さんが「産後の骨盤を矯正して不調を治します」と謳うところを、「骨盤を矯正した上で、サイズを引き締めます」という美容に寄せて訴える内容で差別化をしました。
■実際にどのような反響がありましたか?
私たちは、5~6回で骨盤矯正を終えて、もし6回で終わらなかった場合は無料で責任を持って引き締めます。モニターを募集して、1回~6回でどれくらいサイズが変化していくかを計測し、平均して2cm~3cmずつ変わっていき、最終的には7~8cm締まるといったデータをとりました。その施術メニューの仕組みや効果をホームページに掲載して訴求したところ、新規のお客様が増えました。
■ウィズコロナ、アフターコロナを見据えてどのようなことをお考えですか?
一番考えていることが、客層を分散させることですね。私たちの場合ですと、交通事故と産後骨盤矯正が大きな柱になっているので、また新たな強みもつくっていければと思っているところです。最近始めたパーソナルトレーニングジムは整骨院との関連も深い事業で、整骨院では悪くなった体を治し、パーソナルジムでは良くなった体を更に鍛えていく予防医療という位置づけで行っていきたいと考えています。また、トレーニングしたいものの、スポーツジムなどは密を恐れて行きづらいという客層はすごく増えている中で、パーソナルジムというのは、このコロナの時代と相性がいいという狙いもありました。
■パーソナルトレーニングジムについて、もう少し詳しくお聞かせください。
最初にターゲットにしているのが、ダイエットを目的とするお客様です。私たちの整骨院に、産後骨盤矯正に来られているお客様が、体型の崩れで悩んでおられる方が多く、そこにアプローチしやすいというのがあります。実際に、整骨院の産後骨盤矯正からパーソナルトレーニングジムへ移られた方もおり、2月にも1名新たに来られる予定です。ダイエットのコースは、週1回ペースで通う全16回24万円で、コースをグレードアップされたお客様分も含め1月は売上が150万円ほどになりました。メニューとしては、自分の体重を使った自重トレーニングから入って、慣れて筋肉が強くなってきたところで、ダンベルや様々な器具を使ってトレーニングのバリエーションを増やしていきます。
現状30代女性が客層の中心ですが、ホームページのアクセスを分析したところ、30代男性が多く閲覧していることがわかりました。そこに潜在顧客がいると考えて、急ピッチで男性向けのページを作っているところです。
■他のトレーニングジムとはどのように差別化していますか?
大きな特徴は、サポートを終わった後を視野に入れてアドバイスさせていただいていることです。他のジムでは、サポート期間にどれだけ大きな効果を出すかを目的にしているところが多いのですが、私は、サポート終了後にご自身の体をコントロールできないともったいないと思っており、サポート中に無理をして大きく体を変えるというよりかは、通っていただいた後も、正しい知識と技術をもってご自身で食事やトレーニングを行えるように、アドバイス内容を組み立てています。また、お客様には、治療家としての医学的知識を評価していただいているようです。40代女性で、人工股関節だけれどトレーニングして痩せたい、というような方も安心して通えるとのことでいらっしゃってくださっています。また、トレーニングと食事指導のほか、骨盤矯正もコースに入れているので、骨盤の歪みも見てもらえるなら、という方もいらっしゃいますね。
■どのように資金調達されましたか?
メインは自己資金です。また、事業再構築補助金を活用することで思い切った投資ができました。
■今後の展望をお聞かせください。
これまでは、整骨院でもパーソナルトレーニングジムでも、多店舗展開していくのが主流だったと思うのですが、私はあまり人を増やしてリスクを増やしたくないという考えを持っています。しかし、一人の人が同じ場所で働き続けるのもこれからの時代は違うのかなという思いもあります。そこで、各地に整骨院やパーソナルジムのレンタルスペースを作っていって、そこにスタッフが出張し、働く場所が増やせたら面白いなと考えています。
お忙しい中、インタビューを受けていただきありがとうございました。
本インタビューが、ウィズコロナ時代の皆様の経営の一助になりましたら幸いです。