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上田会計週報『勤怠管理システムの導入と業務効率化』2019.02.04

 

勤怠システムの設定

労働時間の把握にITを使った勤怠管理システムを使用する企業は増えてきてはいますが、勤怠管理システムの利便性の面だけでなく、重要なのは各企業の就業、勤務形態に対応する設定が必要な事です。システムで自動的に勤怠が集計され会社が考えていた集計結果が出るためには、勤怠ルールを覚えさせる設定が必要になります。

勤怠システムの設定で何が必要かを見てみると、労働時間の設定では、

・標準労働時間のパターンを定義

固定残業時間制、変形労働時間制、シフト制、裁量労働制、フレックスタイム制等

上記の各パターンに対して次のような項目の内容を決めていきます。

・始業終業時刻、休憩時間

・早出、残業時間、金額の算出方法

・休日出勤、代休、振替出勤、振替休日

・時刻訂正方法を申請書にして定義する

・電車遅延、直行直帰、出張、有給、特別休暇、時間有給等の取扱い

その他には、

・有給休暇付与のルールの定義(自動付与)

承認者、承認ルートの設定

・給与計算システムへの取り込みフォーマットの定義

などがあります。

曖昧とした部分の取り扱い

出退勤管理でも曖昧とした部分の取り扱い、つまり人間的対応を求められるような場合はどのようにしたらよいでしょうか。

例えば遅刻を取り上げると、単純に遅刻、電車遅延、急病、途中で困っているお年寄りを助けた等、どの場合でも単なる遅刻とするなら問題は起きないのですが、お年寄りを助けた時だけは遅刻扱いにしない等パターンを洗い出し、設定する事が必要です。それをしないと手修正の手間が残ってしまう可能性があります。

考えられるパターンを設定する事によって効率的な勤怠管理から給与計算までのスムーズな進行、完了が可能になるでしょう。それでも例外的な事態は起こりえます。

勤怠管理システム導入はかなり時間もかかります。人事担当者の努力だけでは難しく、上部からの押し付けではうまくいかないでしょう。現場や従業員達の協力が不可欠ですが、ハードルを乗り越えれば非効率的な人事業務が解消する事に繋るでしょう。