治療院経営者必見!接骨院の数値計画書作成のポイント
~“見込み売上=お金が入る”とは限らない!? 開業時の資金繰りで失敗しないために~
接骨院・整骨院税理士Smile(ミネルバ税理士法人)では、現在320院以上の接骨院をはじめとした治療院関係のお客様をサポートしています。今回は、治療院開業予定の方からご相談が多い開業時の数値計画の立て方についてお伝えします。
接骨院をこれから開業しようとする際、多くの方が「まず売上をどう見積もるか」に悩まれます。実際、「1カ月に何人くらい患者さんが来てくれるのか」「どのくらいの金額が入金されるのか」という疑問に、明確な答えを持たずに計画書を作り始めてしまうケースも少なくありません。しかし、接骨院の売上は単純な「売上=現金入金」では成り立たないのが特徴です。
特に注意すべきは「保険請求」や「交通事故(自賠責)による施術費」の扱い。
これらは売上が立った時点ではまだお金は手元にないということを、しっかり理解しておく必要があります。
売上は「窓口」「保険」「自賠責」の3本柱で成り立つ
接骨院の売上は、以下の3つに大きく分類されます。
① 窓口収入(自費・物販)
施術当日に患者さまから現金またはカードで直接受け取る収入です。
保険窓口収入、自費施術やテーピング・サポーターなどの物販が該当します。即時入金されるため、資金繰りに直結しやすい安定収入です。
② 保険収入(療養費)
窓口では一部負担金しか受け取らず、残りの金額は後日口座に入金されます。実際の施術から入金までは1〜2か月のズレが生じるため注意が必要です。
③ 自賠責収入(交通事故対応)
交通事故に遭われた患者さまには、自賠責保険を利用して施術費を請求します。
こちらは保険会社とのやり取りが必要で、施術日から入金までに数週間〜数カ月かかることもあります。自賠責は、1人あたりの単価が比較的高くなる傾向がある一方、入金までの期間や交渉要素が多いため、資金計画への影響も大きい収入項目といえます。
売上が上がっても、お金がすぐに入るとは限らない
ここで重要なのは、売上が立つタイミングと、実際にお金が入るタイミングはズレているという点です。これをきちんと予定せずに資金計画を立てると、「思っていたよりも口座残高が足りない」といった事態に陥ってしまいます。
開業直後は、特に資金繰りに注意を
開業したばかりの接骨院・整骨院では、売上が立ってもすぐに手元資金が増えるわけではありません。
一方で、以下のような固定費は開業月、開業前から発生します。
- 家賃
- スタッフの給与
- 医療機器の購入費またはリース代
- 仕入れ(物販・消耗品)など
とくに開業初期は、まだ保険請求分が入金されていない中で支払いが重なるため、
「見込み売上がある=安心」とはならないことを理解したうえで、資金計画を慎重に立てる必要があります。
接骨院・整骨院税理士Smileでは、300院以上の治療院サポート数を有し、多くの開業支援・資金計画作成をお手伝いしてきました。
- 保険収入のタイムラグを考慮した資金繰りのシミュレーション
- 銀行融資や日本政策金融公庫の融資に合わせた数値計画の立案
- 保険収入と自費収入のバランス構成のアドバイス
- 開業後の収支管理や節税支援
接骨院業界に特化したノウハウを活かし、数字の面から現実的な経営を全力でサポートしています。
「売上があればなんとかなる」
そう考えてしまいがちな開業前ですが、接骨院経営においては、
「いつお金が入ってくるのか」まで見据えてこそ、本当に意味のある計画書になります。
接骨院の開業をお考えの方で、税務サポートと一緒に融資相談も受けたいという方はお気軽にご相談ください。