朝の体操教室がすごいことに
弊事務所では顧客である治療院の中でも特に成果をあげられているところに訪問し、なぜそのような成果が出ているのか取材し、月次会報として顧客に配信しています。今回は最近の会報より、頑張っておられる経営者の方の事例をご紹介させていただきます。1件目は、開業5年目で地域貢献に力を入れられている整骨院の先生にお話を伺ってきました。
◆地域に根ざした整骨院
地域に根ざした整骨院を目指すのは、基本的なことかと思います。しかし、幼少の頃から地域の人々にお世話になった先生のアプローチは少し違っていました。それは、定期的に「朝の体操教室」を行い、院と地域の人はもちろん、地域住民同士のコミュニケーション空間までデザインしてしまうということです。この体操教室は、最初の頃と変わらず現在でも無料で行われているそうです。先生は、「この活動が、周辺住民同士の交流になり、少しでもその輪が広がれば嬉しい」とおっしゃっておられました。
◆予期せぬ出来事
先生の院は、ある団地の商店街にあります。始めた当初は、参加人数も少なかったそうです。しかし、今では参加人数も多くなり、広い場所で行わなければならなくなりました。また、治療をしてもらいに来るのが目的ではなく、朝の体操教室に参加するのを目的にお越しになる方もいるそうです。そして、現在、朝の体操教室が終わり、その足で来院をしてくださっており、まだ開店前だというのに、院の前には長蛇の列ができており、待合室も一杯になってしまうそうです。
このように、院が中心となり、人々が交流できる「場所作り」を提供することで、地域住民同士でコミュニケーションをとり、そして、どんどん元気になっていくことが地域貢献であり、人々の身体を治療するだけでなく、心の治療もされているのだと感じました。
この活動は今後も続けていかれるそうです。
2件目は、自費療養のみで確実に業績を伸ばしている東京都の指圧・鍼灸院の先生にお話を伺ってきました。
◆失敗から学んだ「他とは違うやり方」
先生が東京都の住宅街に現在の指圧・鍼灸院を構えられて4年目になりますが、その前には都心で開業し、半年程で撤退するという経験をされたそうです。最初に開業した場所は、周りにはチェーンの低価格マッサージ店が多く、土曜・日曜には人通りが少ない立地でした。売上も伸びず、価格競争をする意味もないと考え、ご自分の地元だった現在の場所で再度開業されたそうです。
先生の指圧・鍼灸院は、水曜~日曜の15時~24時というやや変わった時間に診療していらっしゃるのが特徴なのですが、これは最初の開業時の経験から、「他とは違うことをしないといけない」と考えられたからだそうです。その戦略が功を奏し、住宅地という立地とも相まって、確実にリピーターの心をとらえていらっしゃいます。特に土曜・日曜は一息つく暇もないほどお忙しくなるようです。
◆経営者としても、施術者としても
先生は、開業前には他の治療院での施術者としての勤務だけでなく、一般企業のサラリーマンとして勤務もされていたそうです。その経験から、治療院も事業として成功しないと意味がないという発想を持っておられます。一方で、事業を経営する立場になってから、他の治療院で勤務していた頃よりも施術者としての仕事も楽しくなった、ともおっしゃっていました。
また、スタッフのお給料は成績に応じて計算する仕組にしているそうですが、ゲームのような感覚で楽しんで勤務してもらえている、ともおっしゃっていました。もっと業績を伸ばしたいとおっしゃっていましたが、先生とスタッフ、さらには患者様も楽しめているという雰囲気は、診療時間外に伺ったにも関わらず伝わってくるものがありました。
3件目は、2年前に開業して以来、順調に売上を伸ばしている整骨院の先生にお話を伺ってきました。
◆施術をする上で心がけていること
問診及び施術後の説明を含め、とにかく患者さんのお話しを丁寧に聞くことを心掛けているとおっしゃっていました。その際に大事にしていることは、患者さんに考えてもらうことだそうです。質問の仕方を、「はい」か「いいえ」で回答可能な形式ではなく、必ず、患者さんに考えてもらった上で回答してもらうような質問にしているとのことです。そうすることで、患者さん自身も身体に悪いことをより深く理解することにつながり、その後の再発を避けられるそうです。
◆保険請求厳格化への対応
最近、整骨院業界で保険請求が厳格化しています。そのような状況でも、先生は丁寧な対応を心がけることにより、保険売上も順調に伸ばしています。具体的には、保険請求後、保険者から患者さんに施術に関する問い合わせがあった場合に、患者さんがうろ覚えで実際の施術とは異なる内容の回答をしてしまったことが原因で返戻となってしまうことがあります。それを防ぐために、、、以下省略