失敗の研究
治療院を営む山田さんは、新規に分院を開設したり、保険外の施術も積極的にやりたいと考えていますが、同業者で失敗した話も聞いたりして中々一歩前に踏み出せません。上田会計では多数の治療院をみており、失敗事例の情報も集まります。今回は売上が減少してしまった事例を取り上げ、その原因と対策を考えてみたいと思います。
保険施術売上の減少事例
外部環境の変化により売上が減少したケースとしては、保険者の審査が厳しくなり、高齢の利用者が減少し後期高齢収入が減少。保険請求がきびしくなり返戻が増えた。保険者の審査が厳しいため実際より部位数を減らして請求している。カルテの枚数はあまり変わっていない事から、患者数は減少していないが、長く来院される、実質肩こり等の症状の方のお断りや、改正に伴う請求部位数の明らかな減少があった為に減少。近隣同業者が増え、来院者数に影響を及ぼしたため。近所に送迎付きの大きい病院ができたことにより、新患が激減。患者が予防の体操に変わったり、施術者の交代で患者が減った。保険を使用する患者にはすぐに調査書が届いてしまう。患者は調査書を大事と捉え、それならと整形外科に流れていってしまった。近くの団地の閉鎖があった。
内部環境の変化により売上が減少したケースとしては、開業時から勤務していた先生が独立、診れる人数が減少。意図的に保険から自費へのシフトを図っているため。院長が変わり自費を積極的に取り入れたため。患者の送迎を始めたが売上には繋がらなかった。保険施術を積極的に行わないために、患者数が徐々に減っている。保険施術を原則やめたことにより減少。リピーターの定着率が低く、新患がなかなか増えなかった。引退を視野に入れているため患者数減少。柔整師が一人減り、水曜午後を休診としたことにより来院患者数が減少した。専門学校の講師を再度始めたため、営業日数が減少。店舗移転後、既存客の流出が大きかった。自賠責の患者が増えたため、保険売上が落ち込んだ。
保険施術売上は、弊事務所実績データによると、ここ数年既存店では前年割れしています。国の健康保険制度の流れからすると、保険請求条件は今後さらに厳しくなることでしょう。そのため、現場では保険外施術売上や自賠責施術売上が増加しています。この流れは今後も続くと考えられます。
保険外施術売上の減少事例
外部環境の変化により売上が減少したケースとしては、保険請求も厳しくなったが、保険外施術を受ける患者が不況の影響からか減った。保険の範囲内で施術を受ける患者が増えた。鍼の患者が亡くなったり、施術者の交代で患者が減少。近所に同様の保険外施術を行う接骨院が複数できたため、患者が減少した。
内部環境の変化により売上が減少したケースとしては、自費専門店売却。売却した理由は、自費をやるためには先ずスタッフの確保が必要なので、人件費等の支払を先行して行なったが、思うように売上が伸びず資金繰りが苦しくなったため。今後は保険と自賠責を中心に経営していく。御灸により患者を火傷させることが多くなったため、自粛した。HPによる宣伝の効果が得られなかった。救護班等の院外活動に力を入れたため、院内の売上が減少した。自賠責の患者増による自費の患者に充てる時間減。保険から自費への転換がうまくできていない。予約制にしたのが失敗だった。従業員の勤務時間の短縮により減少。単価を上げた事による客離れがあったと思われる。院長先生が分院に移られてから毎年減少傾向にある。柔整師が一人減り、患者を待たせることが多くなってしまっているため保険にプラスしての自費を勧められなくなってしまった。
保険外施術売上は、弊事務所実績データによると、ここ数年増加しています。その中でこのように減少してしまうケースがあります。参考にしてください。保険外施術は、骨盤・O脚矯正、小顔矯正、痩身ダイエット、クイックマッサージ等々範囲が広く、客単価もピンキリです。整体院やカイロプラクティック等と競合する施術もあります。スタート時のリスクの少ないやり方は、スタッフは使わず、土曜日の午後等、保険外施術を行う時間を決めて予約制で始める方法です。院長自らの施術なので単価の高い施術にしなければなりません。東京近辺で患者の所得水準が高く、人口の多い地域では単価の高い施術で勝負できます。
自賠責施術売上の減少事例
外部環境の変化により売上が減少したケースとしては、近所に病院ができた。近隣の接骨院が大きく宣伝していることから新規患者数が減少。近くに接骨院がオープンし、自賠責患者が新規接骨院へ流れている。病院と繋がりがある可能性あり。従来から何もしていないが自賠責患者が来ていたが、ピタッと来なくなった。交通事故患者が減少した為。損害保険会社の審査が厳しくなった。
内部環境の変化により売上が減少したケースとしては、、、以下省略