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知って得する!接骨院・整骨院の税務調査対策

さて今回は税務調査の話をしましょう。

 

税務調査には種類がある

 

日本国内で事業を営む個人事業主、法人は税務調査を受けることがあります。

 

税務調査には強制調査と任意調査があります。強制調査はいわゆるマルサというやつで詳細は映画「マルサの女」をご覧下さい。

 

一般の税務調査は任意調査です。従って納税者の合意がないと調査はできないのです。いきなり税務署のものですがといって調査官が治療院に来ることがありますがうろたえないで下さい。この時調査を断ることができるのです。

 

また日を改めてもらうか顧問税理士がいる場合はそちらに連絡してほしいと言って下さい。調査中にみせたくない書類があればこれを見せるのを拒否することもできます。

 

しかしなんでも拒否していると心証が悪くなりかえって疑われることにもなります。いずれにせよここでは税務調査官の要求すること全てに必ずしも応じる必要はないということを頭に入れておきましょう。

 

接骨院・整骨院における税務調査の調査対象の選び方

 

では税務署ではどういった納税者を調査の対象として選ぶのでしょうか?

 

税務署には同業者の申告データがあります。たとえば同業者の平均売上高、平均対売上経費率(人件費率、交際費率等)に比べて売上が飛び抜けて多いとか経費率が高い場合は調査対象になります。

 

接骨院で開業以来十数年経つが税務調査は一度もないという納税者もいらっしゃいますが、これは平均的な同業者の売上、経費データとあまり乖離がない場合です。例えば売上が同業者の倍あったり、特定の経費の割合が売上に比べて多い場合は調査対象になる確率が高くなります。

 

税務署も一度の調査には人件費等の経費がかかりますので調査に行って追徴課税できそうなところを対象に選ぶのです。ある治療院は交際費として年間400万円を申告していました。これは同業他社に比べると明らかに多すぎます。

 

そもそも治療院では患者を接待することはありませんので交際費はほとんど発生しません。税務調査官はこの400万円の交際費について過去3年間について接待した相手の会社名、名前、目的を明細表にしてくれといいました。

 

また交際費の領収書をみて曜日が日曜日のもの、場所が自宅に近いものをピックアックしこれは家族での飲み食いではないかといいました。また支払の多い飲食店に行って飲食店の伝票とチェックしどんな人達といっしょだったかまで聞いたそうです。怖いですね。やっぱり悪いことはできません。

 

接骨院・整骨院の税務調査で調べられる現金の項目

 

税務調査ではどのような項目についてどのような調査を行なうのでしょうか。

 

手技療法を行なっている事業の場合、まず窓口現金の処理が大きなポイントになります。現金商売は一番売上をごまかしやすいので調査官もこのあたりをみてくるのです。

 

日計表の1日の売上が元帳にちゃんとのっているか。これは当然のっているはずです。調査官が見たいのはここではなくて日計表にのせていない売上がないかどうかという点です。

 

そこで調査官は受付簿とか予約簿とかがあればこれを先ず見ます。そしてこれと日計表とを突き合わせて日計表にのっていない患者をピックアップし、施術録を見せてといいます。施術録に記載があって日計表にのっていないもの、金額が合わないものがないかチェックされます。受付簿等がない場合は施術録のファイルからランダムに施術録を抜き取り日計表と突き合わせを行ないます。

 

ある柔整師の方は保険の本人負担金490円だが600円とり日計表には490円と記載しておけば差額110円について税金を納めないで済むので得だと先輩から聞いたとおっしゃられましたが、これは脱税行為になりみつかれば追徴課税プラス重加算税が課され悪質な場合は刑事事件となり新聞に名前が載り刑務所に収監されます。

 

税務調査を甘く見てはいけません。また年間の窓口現金の売上は保険請求団体からくる入金通知書の本人負担額の年間合計額プラス自費売上になります。もし年間の窓口現金の売上が保険請求団体からくる入金通知書の本人負担額の年間合計額より少ないとこれはおかしいということになります。

 

接骨院・整骨院の税務調査で調べられる保険請求の項目

 

次にチェックされるのが保険請求部分の売上です。柔整師の保険請求分の売上処理は特殊で医師の保険請求とも似て非なるものです。税務上は施術をした月に売上が認識されます。しかしこれを入金時に売上として計上している接骨院もあります。

 

例えばある保険請求団体では施術月の6ヵ月後に入金があります。この場合施術ベースの売上と入金ベースの売上では6ヵ月分(7月から12月の施術分)のズレが生じます。この場合税務調査が入ると直近申告年度7月から12月の施術分の保険請求額が売上計上漏れとされるのです。

 

月の保険請求額が約100万円の場合6ヵ月分約600万円の売上計上漏れとなってしまうのです。これがまるまる所得加算となり累進課税で住民税含めると最高50%300万円プラス加算税延滞税の納税になってしまうのです。

 

入金までの期間が長いと納税資金が確保できないこともあり得ます。柔整師の方のなかにはこれまでずっと入金ベースでやってきたが税務署からはなにもいわれなかったので問題ないだろうとおっしゃられる方がいらっしゃいます。これは税務署が入金ベースを認めたのではなくて、たまたま調査がなくてわからなかっただけのことです。調査があれば金額も大きいし税務署としては効率よく追徴できるポイントです。

 

接骨院・整骨院の税務調査で調べられる自賠責保険の項目

 

自賠責売上も考え方は保険請求売上と同じです。税務上は施術ベースで売上が認識されます。自賠責は施術した後保険会社からの入金まで時間がかかる場合が多く申告時に未収分が売上計上漏れとなってしまいやすいので注意してください。

 

これも金額が大きいので税務署としてはおいしいところです。最近の税務調査で自賠責売上を申告から抜いていたケースが挙げられました。手口としては自賠責用の入金口座を別途作りこの口座に入金された売上をまるまる申告していなかったのです。

 

税務署はどうやってこれをみつけたのでしょうか。税務署はいつでも銀行へ行って納税者の口座取引をみることができるのです。このケースは事前に納税者の銀行口座が調査されていました。個人名の口座に毎月振込があると調査官は、これは所得になるのではと考えます。通帳経由の取引をごまかそうとしてもこのように記録に残るので結果ばれてしまうのです。

 

施術料が全額保険対象外の整体やカイロの税務調査

 

整体やカイロなど施術料が全額保険対象外の場合は、施術時に施術代をもらうので、例外的に未収となっている施術代が売上に計上されているかが調査でチェックされます。

 

しかしこれはあったとしても金額がしれています。チェックされるのは回数券等のチケット売上です。税務上はチケットを販売した時点で販売代金全額を売上として認識します。この場合はまだ施術していない部分も売上になってしまうのです。

 

但し販売済みのチケットについて台帳によりチケット別に使用、未使用を管理している場合は使用分のみ売上として認めてもらえます。しかしこの場合も3年経過して未使用の部分は売上に計上しなければなりません。エステ業界などはこの部分の金額が大きいので税務調査ではここをみられます。

 

施術に関連してテープやサポーター等の用品や健康食品を販売されている治療院もあります。

 

このケースでは仕入側の納品書・請求書を調べて売上、在庫の計上漏れがないか調査されます。例えば年間の用品売上に対して用品の仕入額の方が大きいとこれはおかしいということになります。これは在庫の計上漏れか売上の計上漏れの可能性が高いと考えられます

 

税務調査でみられる経費の項目

 

次に経費の調査はどのように行なわれるのでしょうか。

 

手技療法がベースの治療院では物販業と異なり仕入がほとんど発生しないので、経費のなかでは人件費が一番大きな経費になります。従って所得をごまかすとすれば架空の人に給与を支払ったことにしたり、仕事をしていない妻に専従者給与を支払ったりします。

 

調査官は一人別源泉徴収簿(人別に1月から12月の給与、社会保険料、源泉税が記載されたもの)を見せてくださいといい、ひとりひとりの名前と住所をメモします。そして役所に問い合わせて実在する人かどうか調べます。

 

パートの水増しはここで分ります。知り合いの名義を借りて架空の給与を支払っている場合はこのチェックでは分りません。そこで税務署は給与の振込口座をメモし後日銀行へ行って振込口座に振り込まれたお金がその後いつどこの支店から引き出されたかまで調べることができるのです。

 

さらに調査官は各従業員の実在性チェックのため採用時の履歴書やタイムカードをチェックします。調査場所が治療院の場合は直接従業員にインタビューする場合もあります。

 

院長が愛人に給与を支払っている場合、タイムカードはないし従業員へのインタビューで○○さんはどんな仕事していますかと聞くと実在しないのがすぐわかってしまいます。変なことを考えるのはやめにしましょう。

 

接骨院・整骨院の税務調査でみられる青色専従者給与の項目

 

最近青色専従者給与のチェックが厳しくなってきました。

 

専従者の場合タイムカードなどなくても大丈夫なので仕事をあまりしていないか全くしていない場合でも専従者給与を支給しても調査ではわかりませんでした。そこで事前に患者として税務署の他の職員を治療院に行かせるケースがあります。

 

そこで治療院に勤めている従業員の人数や受付が奥さんらしい人かどうか調べるのです。そして調査の際に専従者の勤務形態を聞いて矛盾点を見つけるのです。最近税務署の道路隔てて向かい側で開業された顧問先接骨院があります。毎日事前調査をされているようなものです。

 

最後に税務調査は悪いことをしていなければなんら怖くもなんともないものです。精神衛生上も楽です。健全な考えを持って納税しましょう。

 

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